考えた事

自然の中を探索する。
森の中の木漏れ日。
岩をよじ登る。
さっきは下から見上げていた木の葉っぱ。
登ったら、すごく近くで見れた。
緩い登り、急な下り、どっちの道に行こう？
崖の向こうは、さっき通った所だ。
見えるけど、簡単に行かれない。
迷路のようだ。
険しい場所もあったが、探索するって楽しい。

人間には感じる能力がある。
その能力を使う事で、”生きている”と実感するのではないか？

性能の数値化や、バリアフリーも良いけれど、ちょっと不便な所があった方が、 生きている幸せを感じられるのではないか？

そんな事を考えた為、見えているのにすぐに行かれない。
階段が無いのでハシゴを使う。
１回外に出ないと行かれない。など。
この家の不便さを説明する事になった。

そんな魅力がたくさん詰まった家だ。

2019年2月  建築家 三田 真臣