「部屋の家具レイアウトなどを、仕事として相談に乗ってもらえるだろうか?」 この仕事は、同級生「N」の、こんな疑問からスタートした。
「N」は、某教育機関に新しい研究室を持つ事になり、その研究室についての相談だ。 研究対象は環境であり「森と生活の繋がり」について考えている。
要望としては、 ・部屋の半分はフローリングにしたい。 ・材料は長野県産材にしたい。 ・年間の予算があるので、全部一気には出来ないが、最終的には全て、森や地元長野に関わるモノにしていきたいと考えている。 ・素材の自然さを残した、森の気配が感じられるデザイン。 など。
現地や、関係のある場所を見せてもらい、対話を重ね、思考していく中で、 「学び」「気配」「サスティナブル」などのキーワードが浮かんできた。
様々なアイデアを検討し、今回は大きく2つの物を新設する事にした。
「カラ松フローリングの置き床」 このカラ松フローリングは、修業時代の師匠がよく使っていた。 僕が独立したら、ぜひ使いたいと思っていた材料の一つだ。 何年かして、この床を解体した際にも、フローリング材が再利用しやすい様に工夫した。 また、接着剤や下地合板などの、有害物質が出る材料は避けた。
「ケヤキの家具」 令和元年東日本台風(台風第19号)の時に倒れてしまった、地元の神社のケヤキを譲っていただいた。 倒木後、神社の境内にそのまま置かれていた事で、ちょうど良い自然乾燥状態だった。 多少の虫食いや、割れはあるが、それは「本物の木である」証明になる。 天板には蜜蝋を塗ったが、ケヤキの匂いが感じられる様に、他の部分は無塗装にした。 樹皮部分は、あまりツルツルにならない様に、ザラザラの触感を残した。
なお、加工をしてくれた「I」。 樹種の印刻をしてくれた「H」。 みんな、同級生だ。 こんな風にタッグを組む日が来るとは。 学生の頃からは想像できないくらい、みんなそれぞれ成長したんだなぁと実感。
材料にしても、人にしても、とても縁を感じる仕事でした。
2021年9月 建築家 三田真臣
「部屋の家具レイアウトなどを、仕事として相談に乗ってもらえるだろうか?」
この仕事は、同級生「N」の、こんな疑問からスタートした。
「N」は、某教育機関に新しい研究室を持つ事になり、その研究室についての相談だ。
研究対象は環境であり「森と生活の繋がり」について考えている。
要望としては、
・部屋の半分はフローリングにしたい。
・材料は長野県産材にしたい。
・年間の予算があるので、全部一気には出来ないが、最終的には全て、森や地元長野に関わるモノにしていきたいと考えている。
・素材の自然さを残した、森の気配が感じられるデザイン。
など。
現地や、関係のある場所を見せてもらい、対話を重ね、思考していく中で、 「学び」「気配」「サスティナブル」などのキーワードが浮かんできた。
様々なアイデアを検討し、今回は大きく2つの物を新設する事にした。
「カラ松フローリングの置き床」
このカラ松フローリングは、修業時代の師匠がよく使っていた。
僕が独立したら、ぜひ使いたいと思っていた材料の一つだ。
何年かして、この床を解体した際にも、フローリング材が再利用しやすい様に工夫した。
また、接着剤や下地合板などの、有害物質が出る材料は避けた。
「ケヤキの家具」
令和元年東日本台風(台風第19号)の時に倒れてしまった、地元の神社のケヤキを譲っていただいた。
倒木後、神社の境内にそのまま置かれていた事で、ちょうど良い自然乾燥状態だった。
多少の虫食いや、割れはあるが、それは「本物の木である」証明になる。
天板には蜜蝋を塗ったが、ケヤキの匂いが感じられる様に、他の部分は無塗装にした。
樹皮部分は、あまりツルツルにならない様に、ザラザラの触感を残した。
なお、加工をしてくれた「I」。
樹種の印刻をしてくれた「H」。
みんな、同級生だ。
こんな風にタッグを組む日が来るとは。
学生の頃からは想像できないくらい、みんなそれぞれ成長したんだなぁと実感。
材料にしても、人にしても、とても縁を感じる仕事でした。
2021年9月 建築家 三田真臣